ページの間にあるもの

「絵本にも行間があるとしたら、どこだとおもいますか?」
絵本をつくるプロから投げられたひとこと。

頭を抱えました。
小説なら答えはすぐにわかります。

絵本は文章が短く
わかりやすい言葉で書かれている。

いわゆるそこではない気がする。
あえて尋ねたのだから。

絵本の行間・・・

わかりません、降参しました。

すると、ここなのと言ってページの間を指さした。

「ここ?」
「そう、絵本ってページとページの間で物語が作られるの」

限られたページ数、短い文章で物語をつくるには
行間=読者の想像力が欠かせないそうです。

ページをめくるまえに次の展開を想像させる。
ページをめくったあと「こうなったのか」と道をつくる。
1ミリ満たないページの間で物語を完成させる。
その職人技にしびれました。

そもそも、本を読むことは能動的な行為です。
自ら手を伸ばし、本を開き、文字を追う。
文字を追ってるようでその向こう側にあるもの、
行間を読んでいます。

行間に見える景色、
それはもう作者のものではなく読者が作ったもの、
創造です。
その創造こそ、読書の産物だとおもっています。

店主

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